岳精流日本吟院総本部

全国吟道大会が終了しました

公開日時:2026年06月18日

6月12日(金)梅雨入り宣言が発表された週末、川崎市中原区のエポックなかはらにおいて本年の全国吟道大会が開催されました。
今年の参加者は約650名で、観覧者を含めると約700名が一堂に会し、様々な演目を披露する1日となりました。
参加された皆さんにとって、今回の大会はある意味忘れられない大会となったはずです。前日より時系列で追っていきましょう。

前日の6月11日、大会役員は13時より現地に集合し本部より運び込んだ機材・備品を搬入、舞台上並びにロビーの準備を整えます。各会・支部とも今回より(来年の記念大会に向けて)新しい役割を与えられてはおりますが、この施設も今回で3年目、場内がコンパクトにできている事もあって順調に準備が進みます。
15時頃より舞台上でリハーサルが始まりました。リハーサルとは言っても番数も多いですし、参加できない出演者も居ますので構成吟を中心に、入退場および立ち位置の確認、剣詩舞との絡みを確認する内容となりました。
舞台監督が順に出演チームを呼び出しながら、順調にリハーサルが進行していきます。30分位経った頃でしょうか、パチンと音がした(らしい)直後、舞台上もホール内も照明が暗くなりました。
停電ということのようです。いまどき珍しいこともあるな、と思いながらもリハーサルは続きます。しかし、舞台進行を司る数名はホールスタッフより「エポックなかはらに給電するケーブルが断線したらしい、緊急電源しか使えない」と聞かされておりました。今大会の目玉であった構成吟の舞台背景動画の投影も出来なくなり、照明類も本番通りには動きません。
それでも時間は限られておりますので、出演者の出入り・立ち位置確認を中心にリハーサルは最後まで進みました。
リハーサルは終了、翌日の本番に備え出演者は次々に帰宅します。数名の役員のみが撤収作業を行っていた時、ホール側より「明日の電源復旧は難しいかもしれない」との一報が入りました。あまりのショックに目の前が真っ暗になりましたが、地方からの参加者はやってくるし、700個のお弁当も届くし、何よりこの日を楽しみにしていた会員の皆さんががっかりする・・・、もうこれはやるしかない、ということで会館側には「とにかく出来るところまでやる」と伝えて翌日の復旧に一縷の望みを託して解散となりました。

そして本番当日・・・。8時過ぎにホールに到着すると館内は駐車場を含め真っ暗、エレベータも表示灯が点いていません。「ダメだったか―」と一瞬がっくり来ましたがすぐに覚悟を決め開演の準備に入ります。状況を役員に伝え、まずは幹事長より開会挨拶前に状況を来場者に説明していただく事にしました。幹事長より説明が行われると場内は一瞬ざわついたものの、参加者一同動揺する事なく理解してくれました。
舞台もやや暗く(ホール客席はもっと暗く)、空調も効かないまま開演となりました。
最初は合吟コンクールです。舞台上では通常通り粛々と吟詠が続き、14人の審査も進んで行きます。一方裏方の審査集計室では大騒ぎです。集計室となっていた楽屋は停電しているため集計用のパソコンが使えず手作業(電卓)での集計となったためです。室内も暗いため懐中電灯で手元を照らしながらの集計作業です。そのうちに電卓のソーラーパネルが集光しなくなり数字が見えなくなったので今度は電卓のソーラーパネルを照らします。
結果、集計作業は午後2時近くまでかかり、ようやく結果を宗家・審査委員長に報告できました。

こうしている間にも(第2部)令和7年独吟コンクール優勝者吟詠、(第3部)令和7年武道館合吟コンクール優勝吟詠、(第4部)支部長・会長吟詠と進んで行きました。
ここで停電による舞台裏の様子をもう1つ。今回関係者分を含め700個近い弁当とお茶を手配しておりました。これらはすべて3階ロビーで仕分けと引き渡しを行います。弁当は1階駐車場に届き、エレベータを使って台車で3階に運ぶ予定でした。
停電でこの計画がおじゃんになりました。昼食係が出した結論は「人力で階段経由で運搬する」というものでした。9時前から運搬を始め、全てを運び上げた時には30分以上が経過しており、開演前にも拘わらず既にメンバーは汗びっしょりです。
参加者からは好評を頂いた今回の昼食でしたが、それだけが救いとなりました。

午後は式典において、宗家と深浦最高顧問の「吟剣詩舞大賞功労賞」受賞に対し花束贈呈を行い、その後(第6部)本部役員吟詠、(第7部)少壮吟士吟詠と進みます。第8部が今回大会の目玉、各教場をクローズアップして吟と映像、ナレーションを融合した構成吟を企画していたのですが、停電のため映像が投影できず!ナレーションで「このような風光明媚な環境で勉強しています」と言っても舞台上には黒い幕が引かれているだけ、という残念な演出になってしましました。出演者の皆さん、本当にすみませんでした。

そしてようやくです。15:30頃、電源復旧の知らせが届くと共に徐々に場内は明るさを増し、涼しくなっていったのでした。構成吟も最後の5番組(8チーム)のみが映像・ナレーション付きで合吟を披露する事が出来ました。

その後(第9部)副幹事長・幹事長吟詠、(第10部)宗嗣吟詠、(第11部)特別番組と続き、合吟コンクール表彰式・閉会式となりました。合吟コンクールの結果は第3位:多摩岳精会(女子)、準優勝:三河岳精会(女子)、優勝:六郷岳精会(女子)というものでした。入賞された皆さん、おめでとうございました。

大阪岳精会 下精祥会長の音頭による万歳三唱で大会の幕は閉じました。
大変な大会になりましたが、参加された皆さんが動揺せず、それぞれの役割を冷静に果たしてくれたおかげで大きな事故もなく無事に大会を終える事が出来たと思っています。「火事場の馬鹿力」という言葉がありますが、会員全員の力の結集による大会として記憶に残っていく事でしょう。お疲れさまでした!

そんなわけで写真も撮影できなかったものが多く抜粋となりますが、こちらにアップしています
ご覧ください