鎌倉 → 平塚 → 小田原
ずっと遠くまで砂浜がぼうっと見えて続く。空と海は雲に覆われて今日は富士山が見えない。 私は江ノ島に向き合っているが人影はなく、ただ鳶が飛び交っているのみで、浜辺はますますものしずかである。
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旅のおもしろみに乗じて下田先生の家を訪ねた。お宅では何となく風雅を解するもの同士で世の喧噪を忘れる思いがした。
下田先生が高らかに吟じられるとゆったりのびのびした気分になったし、奥様の清らかな吟は春に咲く花の中にあるようだった。