岳精流日本吟院総本部

第一節

旅の行程

横浜市鶴見区 → 鎌倉・円覚寺

1:発っせんと欲して作有り

今朝の空は雲が蔽って、ほんのわずかに明るい程度だ。天候が危ぶまれるが私にはかねてからの計画があってこれは変更しない。

テラスから西を眺めるとそこは東海道だ。私はねんごろに旅衣を纏った。

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2:鎌倉円覚寺に至る

ものふりた道を辿れば、そこは心落ち着くところ、千年の歴史があるお寺はくれなずむ空に香しい。

境内で友人の林山氏は尺八を吹いたが、清らかな音色は奥深い樹林に響き渡り、私もまた低い声で吟を口ずさみながらゆったりとした気分になった。

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