昨年豪雨による交通機関麻痺のため直前で中止となった夏期師範1泊研修会ですが、本年は天候に恵まれ(?)猛暑の中、無事日程を終える事が出来ました。令和7年夏期師範1泊研修会は例年通り熱海温泉「ホテル大野屋」にて8月31日(日)~9月1日(月)の日程で開催されました。今年の参加者は166名、昨年が中止となった分参加者の意気込みも大きかったのか、事前の欠席は殆どありませんでした。
研修初日は会長・支部長・指導本部員・本部役員による「幹部指導者連絡会」でスタートしました。大野屋特製カレーライスを食べながら、研修会の趣旨、狙いとする部分を共有しました。そうしている間にも参加者は続々と集まり事業部の皆さんが受付業務を開始しました。参加者各位にテキスト・名簿・名札をお渡しし、大会議場(宴会場とも言う)「瑞雲」で着席して開会を待ちます。定刻13時に開会となり、吟礼に続き佐藤精堂指導本部長より研修中の諸注意が伝えられました。
いよいよ宗家による吟詠指導が始まります。最初の講義では「春暁」「初夏園中即事」「慈恩塔に題す」が指導されました。皆さん熱心に聴講されています。
宗家指導が終了しますと部門別研修に入りますが、本年はその前に来る11月の「武道館大会」で岳精会演目として披露する「大合吟」の練習を行いました。初日は男子大合吟、演目は「富士山(石川丈山)」です。この武道館大会大合吟は男性160名、女性230名という類を見ない大規模な合吟となり当日は注目を集める事でしょう。指導に当たった園田精鵬副幹事長も熱の入った指導を行っていました。
初日最後の勉強は部門別研修です。(a)特別研修(会長・支部長・教場長を中心としたこれからの流統を考える研修会) (b)新師範研修(師範位取得後、必ず受講する研修) (c)新準師範研修(b同様、準師範位取得後受講必須) (d)一般研修(指導本部員による吟詠指導、教場に戻って生徒さんをどう指導するか、に着目して受講します)と4部門に分かれての研修となります。それぞれ指導陣との距離も近く、自然と真剣な眼差しとなり、指導陣も熱が入ります。こうして初日の研修は17:30に終了しました。
ようやく自室に荷物を下ろし、軽くひとっ風呂浴びたらお待ちかねの夕食会です。大野屋自慢の御馳走に舌鼓を打ちながら、会話も弾みます。研修も熱心な皆さんでしたが、夕食会はその数倍盛り上がっておりました。夜通し続くのではと思われた宴も時間の関係で20時には終了となり、その後は銘々の部屋に戻って勉強をする方、宴会の続きをする方、爆睡する方とそれぞれ充実した時間を過ごされたことでしょう。
岳精会員の朝は早い!前日も遅くまで起きていた皆さんも多かったはずですが、2日目の朝、7時前から朝食会場(バイキング)前には皆さん、大行列です。朝から食欲があるって素晴らしいことですね!皆さん取り放題の朝食を目いっぱい食べて2日目の講義に備えています。
息つく間もなく、8時半には吟礼が行われ式典に続きます。式典では武蔵岳精会新会長の簗瀬精仁先生、一宮支部の藤井龍悠先生に任命証が手渡され、その後令和6年度の「会員増強表彰」が行われました。昨今の厳しい状況の中、会員数を伸ばした4つの教場(湘南・藤沢・町田中央・岩手)の教場長に対し表彰状と金一封が手渡されました。おめでとうございました!
続いて千代田岳精会_用賀教場教場長の松本篤風先生から用賀教場における会員獲得活動のご報告を特別研修としてご報告しただ来ました。あきらめない事、地道な活動を継続する事の重要性を参加者に伝えて下さいました。
この後、幹事長より今後の予定(武道館大会、全国吟道大会)について説明があり、宗嗣の吟詠指導に続きます。
宗嗣の吟詠指導では「短歌_見る人の」をご指導いただきました。宗嗣指導の後、休憩を挟んで前日に引き続き武道館大会女性大合吟の練習を行います。指導は奥村精曄副幹事長です。女性会員の高らかな吟声が大会議室中に響き渡りました。
続く宗家の吟詠指導では「農を憫む」「俳句_春ここに」「家書を得たり」をご指導いただきました。中には夜更かしのため目をしょぼしょぼさせる参加者もいた筈ですが、全体には気合の入った聴講姿勢が続きました。
さてようやく昼食です。舌の肥えた参加者のため大野屋さんが用意した松花堂(風)弁当を召し上がり、一息ついて最後の講義に備えます。午後の講義は特別研修会の目玉、岡田純明先生による尺八の世界でした。詩吟伴奏に限らず、幅広いジャンルで活躍される岡田先生はラテンからクラシック、歌謡曲までどんな楽曲も尺八でこなします。もちろん宗嗣をモデルに吟詠伴奏の妙技も披露頂きましたが、次々に繰り出す名人芸に手拍子も飛び出す大受けの特別講演となりました。
さて最後の宗家による吟詠指導は皆伝の指定吟題「勧学の文」です。長尺の詩文は簡単に詠いきるのは難しいですが、流石に普段生徒さんを指導している師範の皆さん、良く宗家の手本についてきておりました。
こうして全ての講義が終了し、成果発表吟詠として以下の7名が成果吟を披露されました。生駒支部_大西白泉、湘南教場_小迎白山、多摩岳精会_加藤姚風、相模支部_長谷川龍博、千代田岳精会_宮野信山、三河岳精会_阿知和龍迫、六郷岳精会_上杉龍景(敬称略)。皆さんそれぞれ見事な吟を披露されていました。
こうして2日間にわたる夏期師範1泊研修が終了しました。研修期間中、体調を崩される方も無く、帰路における事故なども本部には入っております。無事に研修が終わり参加した皆さんに多くの成果があったことをありがたく思います。
参加された皆様、お疲れさまでした!
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